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地震から考えるマンションの選び方

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失敗しない、マンションリフォーム・リノベーションのために。
【地震の揺れから考えるマンション選び:マンションリフォーム前の注意点】について、アドバイスしています。


 



地震が起こったら大変!タワーマンションは揺れやすい

 

「タワーマンションでリフォームするには、低層階と高層階のどちらが良い?」という質問を頂きました。

タワーマンションは、眺望・立地・設備面の良さや、ホテル並みのサービスで人気です。不動産業界の方は価格の高い高層階を推されるかもしれませんが、生活に根差したマンションリフォームを手掛ける女性建築家の見解では低層階をおすすめします。

日々の暮らしの快適性を考えるのも大切ですが、地震大国「日本」に住んでいる以上、避けては通れないのが【地震時の影響】です。
高層階のビルやマンションでは地震波が増幅されて、低層階よりも良く揺れると聞いたことはありませんか?

地震波には初期微動や、ガタガタと大きく揺れる主要動の他に、震源から遠く離れた所でも弱まりにくい【長周期地震動】があります。

長周期地震動は、地震発生時に通常の震動とは異なり、2秒以上のゆっくりとした揺れで、遠くまでエネルギーを伝えます。
超高層のマンションやビルを大きくしなるように揺らし、特に高層階ではゆらゆらと大きく長く揺れます。

最近では、平成28年10月に起きた鳥取を震源地とする地震でも、あべのハルカスやスカイビルなどの高層ビルでエレベーターが止まったり、東北の大震災の時には、震源より約800キロ離れた大阪市で府の咲洲庁舎の55階建てのビルが、最大2.7m、10分以上も揺れ続け、壁や天井が壊れる被害がありました。

周期は階数に0.1を掛けた数字が目安で、例えば50階建て場合の周期は約5秒です。
大阪のように柔らかい堆積層に厚く覆われている平野部や、湾岸部の軟らかい地盤は揺れを増幅させます。

 

【耐震構造のタワーマンション】では、上層階だと震度3程度の地震でも大きな揺れを感じます。
建築基準法の規定で、震度5クラスの強い地震が起きても倒壊しないような構造になっていますが、建物自体は大きく揺れるため、室内の家財等の損傷が大きくなります。

【免震構造のタワーマンション】では、地表からの地震エネルギーを吸収するため、耐震構造のタワーマンションに比べて、地震の揺れを1/3~1/5程度に軽減させるので、上層階でも室内の家財等の損傷は少なくなりますが、横にゆっくりと長く揺れます。

地震時の大きい揺れや、長い揺れの心配だけでなく、地震後も【高層難民】【マンション難民】と呼ばれるように、地震でエレベーターが停止した時、復旧するまで上層階に取り残される心配もあります。

低層階の20階程度までならば、エレベーターが停まっても自力で何とかなりそうですが、高層階、特に最上階近くの30~50階に住む人々は、高層難民になる可能性が非常に高いです。



普段の生活でのデメリットは?

 

その他の高層階における生活上のデメリットとしては、【エレベーターがなかなか来ない、渋滞になる】こと。
タワーマンションの多くは立地条件の良さがセールスポイントになっていますが、通勤時のエレベーターの渋滞により、立地条件の良さがあまり実感できなくなってしまう事もあるとか・・・。
エレベーターでの移動の面倒くささで、外出がおっくうになってしまうのは残念です。

そして、住んでみてから実感するのが、【風が強くて洗濯物が干しづらい】こと。
ドラム式洗濯機の普及により乾燥は洗濯機まかせの方でも、天気の良い日は外に干したくなる時もあります。でも風が強くて外に干すのはやめたとの声をよく聞きます。


新築か中古マンションを買うかだけでなく、タワーマンションのメリット・デメリットをよく考えて、後悔しないマンション選びをしましょう。

タワーマンションに限らず、中古マンションの選び方で、その後の生活や安全性が大きく影響されます。

キッチンや浴槽などの設備面を始め、間取りの一新や断熱・防音などはマンションリフォームである程度対応できますが、地震の対応は家具の固定や災害時の備蓄など個人単位で出来る範囲に限度があります。

マンションの選び方の優先項目を何にするか、住まいをどのような空間にするか。
それは、これからの自分の「生き方」にも大きく関わってきます。

 目に見える価値だけでなく、目に見えないメリット・デメリットも理解して、ご自身・ご家族のスタイルに合ったマンションを見つけましょう。





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